義理の両親と同居していてよかった

古賀家は妻の陽子さん(仮名・34歳)と夫(30歳)、長女(3歳)、長男(1歳)、そして夫の両親の6人家族。陽子さんは2人目を契機に資格を取って学習教室を開いたばかり、夫は契約社員として働いています。夫の両親も現役で働いていて、日中家にいることの多い陽子さんが、家事の多くを担当しています。「最初の頃は『全部やらないと』という気負いもあったのですが、あるとき義理の母が『私がやるよ』と声をかけてくれて。
食器洗いも別々ですし、ゆるやかに分担している感じです」。夫は次男のため、同居が必須だったわけではありませんが、陽子さんはそれを望んでいたと話します。「子どものためには私たちだけではなく、親世代の価値観に触れられたほうがいいと思ったんです」
友人の結婚式で出会った2人。2次会の幹事をするはずだった人が酔いつぶれてしまい、2人が幹事を代行することに……。仲良くなった2人は、交際1年で入籍しました。それから1年後には長女が誕生。ほどなくして、ある出来事が起こります。「お義母さんが長女のオムツを替えてくれていたとき、足の長さが違うことに気づいたんです。1〜2cm ほどだったのですが、念のため予防接種のときに先生に伝えてみると、股関節脱臼だったんです。『よく気づいたね』って言われて。気づくのが早かったので治りも早かったんですが、あのときは本当に同居していてよかったと思いましたね」

子だくさんでもなんとかなる

2人とも兄弟がいたため、2人目を望むのは自然なことでした。陽子さんには「35歳までに」との思いもあったと言います。長女とは2歳違いで長男が誕生。「友だちが『子どもを預けて1人になりたい』って言うのをまったく理解できなかったんです。けれども長男が生まれて、やっと寝たと思ったら長女が『かまって』……『1人になりたい!』ってはじめて思うようになりました」。支えになったのは夫の行動。たまの日曜には子どもを預かって、「いいから行ってきな」と陽子さんを送り出してくれます。「友人とのランチだけでも、いいストレス発散になりますね」反面、陽子さんから夫へダメ出しも。「いきなり私のことを『かあちゃん』って呼びはじめたんです。『私はあなたの母親じゃない!』って、すぐにやめてもらいました」。
陽子さんが子どもを連れて家出したこともありました。「はじめは夫との些細な言い争いから、近くの実家に2ヵ月ほど帰っていました。私の両親は孫と一緒にいられて楽しかったみたい(笑)。でも義理の両親も心配して、『同居がイヤなら私たちが出ていこうか』って。『それが理由ではないんです!』って、あわてて戻りました」今、陽子さんのお腹の中には3人目の子どもがいます。「経済的な不安がないわけではないけど、なんとかなると思って」。軒先には、近所の人からたまに届けられる採れたて野菜のおすそわけ……そんな周りとの「ゆるやかなつながり」が、陽子さん家族を支えています。

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『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか?』
ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト

発行: 株式会社プレジデント社
著者: 秋山 開(公益財団法人1more Baby 応援団)
三輪慎一郎
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定価:本体1,350円+税
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