「夫婦二人三脚」とはよく聞く言葉ですが、子育てに関しては2人の考えが食い違ってしまうのはよくあること。
けれどもこの2人は子育ても協力し合う“ベストパートナー”のようです。同い年でなんでも相談し合える“親友のような”夫婦の子育てのお話です。

はじめての出産で頼りになったのは……

高橋家は妻の久美さん(仮名・31歳)、夫(31歳)、長男(4歳)、長女(2歳)の4人家族。
久美さんも夫も会社員として働いています。2人が出会ったのは大学院。久美さんは文系、夫は理系と専攻は別々でしたが、共通のアルバイトで意気投合。いつしか結婚を意識し、夫は社会人1年目、久美さんは卒業を控え、修論を提出した翌日に、婚姻届を出しました。結婚から1年後に長男が誕生。
「周りに女性特有の病気を持っている人が多かったので、1人で勝手に『私は授かりにくいんだ』と思い込んでいました。けれどもすぐに授かったので拍子抜けしましたね」。
はじめての出産はわからないことばかり。頼れるのは夫と義母だけだったといいます。
「私の母は小学生のときに亡くなっていて、父は“ 仕事人間”。自分では『なんとかなる』と思っていたけど、実際は一日じゅう家の中で、言葉も何もわからない長男におっぱいをあげては寝かしつけ……の“24時間営業” 状態。定時で帰ってきてくれる夫と、出産直後から身の回りの世話をしてくれた義母には本当に助けられました」
長女はそれから2年半後に誕生。嬉しく思いながらも、最初は戸惑いがあったと久美さんは話します。
「父と弟の“ 野郎ばかりの家族” で育って、私自身『母に相談する』という経験がなかったんです。この子にはどう接したらいいんだろう……と不安がありました」。
そんなときに心強かったのは、義母の存在でした。「“ 嫁姑問題” が一切ないんですよ。『娘が1人増えたようなもんやから』と義母も言ってくれます。なんでも話せますし、このあいだ一緒にライブにも行きました。もう“ 私の母親” ですね」と笑います。

夫とは“いちばん仲の良い親友”

そして、共に子育てに取り組む夫は久美さんの“ 良き相棒” です。
「『子育てに関わりたい』という思いが人一倍強いみたいです。普段からいろいろと情報収集していて、私よりも詳しいくらい。子どもの教育方針や今後のことなど、なんでも話し合います」。
保育園はネイティブによる英語学習や水泳など各種活動が充実し、病児保育が併設されているところを選択。
「長男だけのときは公立に通わせていたんですけど、共働きなので、急に熱が出たりするとどうにもならなくなるんです。夫も『全部頑張ろうとしなくていい』って言ってくれて、スッと楽になりました」。
夫は子育てを理由に残業が免除される制度を活用していて、19時には帰宅。久美さんが夕食をつくっている間、子どもたちをお風呂に入れます。家事は「気づいた人がやる」方式。掃除に洗濯、片づけも互いに行います。
「それがウチのルールなのかも。子どもたちにも『気づいたら片づけようね』って徹底させています」
「気の合うママ友はあまり多くない」という久美さんですが、それを不安に感じないのは、夫の存在が大きいようです。
「いちばん仲の良い親友と結婚して、一緒に暮らしている感じ。友だちだからこそ、なんでも話せるし協力し合えるんです」

『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか?』
ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト

発行: 株式会社プレジデント社
著者: 秋山 開(公益財団法人1more Baby 応援団)
三輪慎一郎
藤平達之
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